「勇気のクルマ」三代目ジムニー(JB23、JB33/JB43)

1998年の軽自動車規格の改正(車枠等)に伴い、ジムニーもフルモデルチェンジをしました。
いよいよ、現行の三代目ジムニーのJB23型になります。

外観上は車体の大型化と流行りの丸みを帯びたデザインとなりましたが、ジムニーの伝統ラダーフレームはそのまま引き継いでいます。
現在までに三代目ジムニーは6型までマイナーチェンジを繰り返しています。
その間にオンロード走行での安全性とオフロード走行での走破性の向上を果たしていっています。
またABSなどの安全装備の充実も図られ、現在に到っています。
ジムニーL、ジムニーJ2といった2WDもラインナップされましたが、当然(?)のように今では無くなってしまいました。
エンジンはJA22と同じくK6A型を使用し、最高出力 64ps/6,500rpm、最大トルク 10.5kg-m/3,500rpmと、やはりJA22と同様です。
JB33型ジムニーワイドもJB23と同様、前モデルのJB32と同じエンジンのG13B型を使用しています。
しかし、G13BはJB32型で使用した時と比べて最大トルクが若干アップしています。
これは、点火方式をデスビ+フルトランジスタから、同時点火方式へ変更した事などによるものと思われます。
一方、JB43型ジムニーワイドはM13A型エンジンを搭載し、排気量 1328cc、最高出力 88ps/6,000rpm、最大トルク 12.0kg-m/4,000rpmといったスペックを発揮しています。
また、JB43は2回目のマイナーチェンジで、その名称をジムニーワイドからジムニーシエラへと変更し、現在に到っています。

二代目最後の第四期(JA12/JA22、JB32)

1995年11月に二代目第四期が発売されます。
JA12とJA22です。
ジムニーとして初のコイルスプリング採用車であり、オンロードでの快適性を向上させました。
JA12はF6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボエンジンを搭載し、最高出力 64ps/6,000rpm、最大トルク 10.0kg-m/4,000rpm。
これに対しJA22はK6A型 水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボエンジンを搭載し、最高出力 64ps/6,500rpm、最大トルク 10.5kg-m/3,500rpm
という具合に、若干の特性の差を作りました。
また、パワーステアリングもJA12は油圧、JA22は電動。
ギアも、JA22の方がJA12よりもハイギアード化されています。
また、軽自動車ジムニーの5ナンバー登録が出来たのも、このときでした。
三菱のパジェロミニに対抗する為でした。
後期型ではエアロッキングハブによるドライブアクション4WDシステムが搭載されました。
JA12/JA22と同様にコイルスプリング採用の1300ccモデルも登場しました。
JB32 ジムニー・シエラです。
G13Bエンジンは1カム16バルブ化され出力が向上しました。
ワイドトレッド化とコイルスプリング化により、オフロードのクローリングでの脚の伸び(接地性)が向上しました。
G13Bの出力は最高出力 85ps/6,000rpm、最大トルク 10.8kg-m/3,000rpmでした。

ジムニー・シエラ登場(JB31)

1993年5月に1300ccジムニーが発売されます。
1988年に登場した、同社のエスクードと競合してしまうため、発売が見送られていた1300ccのジムニーの復活です。

JA51は北米市場で改良され、ワイドトレッド化やハーギヤード化、インジェクション化された「サムライ」(JA51の米国仕様名)をベースとし、日本に上陸。
その名もシエラ(SIERRA)。
シエラとは元々、オーストラリア仕様名です。
ちょっと、ややこしい経歴ですね。

日本ではJB31型になります。
エンジンはG13B型。
水冷直列4気筒4サイクルです。
最高出力 70ps/6,000rpm、最大トルク 10.4kg-m/3,500rpmでした。
JA51までは6穴のホイールという非常に変わったものを装着していましたが、JB31以降は5穴ホイールとなっています。
これは、軽自動車ジムニーの5穴ホイールでは強度不足のため、5穴ホイールを普通車ジムニーに取り付けられなくするための策でしたが、JB31型の頃になると軽自動車ジムニーのホイールの強度が上がった為、普通車ジムニーを6穴にする必要が無くなったためでした。
これで普通車ジムニーもホイールの選択肢が広くなったのです。

しかし、今回はかなり、ややこしくて、上手く書けたか、ちょっと不安です……

軽自動車も660ccに!(JA11)

いよいよ、軽自動車の排気量が現在と同じ660ccになりました。
1990年の事です。
それに併せてジムニーも二代目第三期へとマイナーチェンジ。
JA11型となります。
このJA11は、更に5つの型に分かれます。
この5つの型について説明していきましょう。

まず、1990年2月にJA11-1型が販売されます。
エンジンはF6A型、水冷直列3気筒4サイクルインタークーラーターボです。
最高出力 55ps/5,500rpm、最大トルク 8.7kg-m/3,500rpm。
最高出力こそ、JA71のインタークーラー装備と比べて3psしか変わりませんが、最大トルクが1.5kg-m上がり、またその発生回転数が下がっています。
SJ40とほぼ同等のエンジンスペックでした。
前後バンパーも大きくなり、リーフサスペンションにも改良され、オフロードでの走行性能も向上。
また、前述のように低回転狙いのエンジンなので、低速トルクが向上し、その扱い易さには定評がありました。
多くの社外パーツも販売された為、オフロードユーザーから多大な支持を受けました。

1991年6月にはJA11-2型に。
最高出力58ps、最大トルク8.8kg-mとわずかながら、出力向上です。

1992年7月、JA11-3型に。
3速ATの設定が出来、キャリアベースも標準になりました。

1994年4月、JA11-4型に。
安全装備の変更と共に、一部でパワステが標準装備となりました。

1995年2月にJA11-5型に。
エンジン出力は最高出力 64ps/6,000rpm、最大トルク 10.0kg-m/4,000rpmと大幅に向上。
いよいよ64ps時代に入りました。

また、JA11型は多くの限定車も発売されました。
1型 ワイルドウインドリミテッド(1000台限定)
2型 ワイルドウインドリミテッド(2400台限定)
3型 スコットリミテッド('92年モデル、3000台限定)
ワイルドウインドリミテッド('92年モデル、3500台限定)
スコットリミテッド('93年モデル、3000台限定)
ワイルドウインドリミテッド('93年モデル、5000台限定)
4型 サマーウインド(4500台)
5型 特別仕様車ランドベンチャー
と様々な限定車が販売されたのでした。

ジムニーにターボモデル登場!(JA71)

1986年1月にジムニー初の4サイクルターボエンジン搭載のJA71が販売されました。
いわゆる二代目二期です。
550ccターボ+5速ミッションにより、高速性能が格段に向上。
特に、最大出力においてはターボの恩恵は絶大で、SJ30の28psから42psと一気に14psもの出力アップを果たしました。
搭載エンジンはF5A型の水冷直列3気筒4サイクルターボで、最高出力 42ps/6,000rpm、最大トルク 5.9kg-m/4,000rpmです。
1987年11月にはインタークーラーターボが発売。
最高出力 52ps/5,500rpm、最大トルク 7.2kg-m/4,000rpmと、更にその出力を高めます。
しかし、出力特性は、あまり良くなく、いわゆる「ドッカンターボ」的な色が濃くなります。
当時はターボの制御技術が未熟で、メーカーでさえ手探り状態での開発であったためです。
ジムニー初の特別仕様車ワイルドウインドリミテッドが1000台限定で販売されたのはこのJA71型でした。
1984年11月にはJA51型のジムニー1300が販売されました。
当時、カルタスに搭載されていたG10A型(1000cc、3気筒)のエンジンに1気筒追加で1300ccです。
単純な発想のエンジンですが、こういった単純な計算のエンジンは多メーカーにも多く、4気筒1600ccのエンジンを5気筒にして2000ccや8気筒にして3200ccなんてものもありました。
これまでのジムニーは4ナンバーでしたが、同時期の三菱のパジェロミニの影響もあり、5ナンバー車が登場。
普通車ジムニー初の特別仕様車ウインターアクションスペシャルが100台限定で販売されました。
正にレアな仕様です。
このJA51に搭載されたG13A型のエンジンスペックは排気量 1324cc、最高出力 70ps/5,500rpm、最大トルク 10.7kg-m/3,500rpmというものでした。

1000ccのジムニー(SJ40)

SJ30の翌年の1982年8月に、ジムニー初の1000ccエンジン搭載のSJ40が販売されました。
これは、元々輸出用のSJ410を国内ユーザーの声によって、国内仕様としたものです。
エンジンは800ccジムニーのF8A型のボア(シリンダーの内径)を広げて970ccとしたF10Aを搭載。
また、車体もF10A型搭載を前提とされた設計であった。
F10A型は最高出力 52ps/5,000rpm、最大トルク 8.2kg-m/3,500rpmといったスペックでした。
1986年の排ガス規制をクリアできずに2年ほどで販売が終了した短命のジムニーでしたが、輸出使用のSJ410はスペインやインドでは1998年あたりまで、販売されていました。
また、SJ40のホイールは純正で15インチと軽自動車よりも大きなものが装着されていたものの、なぜか6穴のP.C.D.139.7といった風変わりな規格のホイールとなっていました。
SJ40にはピックアップボディの設定もあり、このピックアップジムニーは16インチのホイールが採用され、コッチは5穴でした。
これは、SJ30と同じ規格のサイズです。

性能向上の二代目ジムニー(SJ30)

11年間に渡って販売された、栄光の初代ジムニーもいよいよ二代目にフルモデルチェンジが行われました。
1981年5月の事です。

二代目ジムニーに当たるSJ30の目標は快適性と操作性の向上でした。
この時期のスズキのエンジンは4ストロークのF5A型が主流でしたが、ジムニーに限っては、LJ50型の2ストロークエンジンでした。
理由は簡単です。
スズキのこだわり。「トルク」のためです。
トルク的に劣る4ストロークエンジンはジムニーに使う事が出来なかったのです。
そして、SJ10と同じエンジン形式ながらSJ30では、最高出力 28ps/4,500rpm、最大トルク 5.4kg-m/2,500rpmと、若干ながら各出力を向上させる事ができました。
特に最大トルクの発生回転数が500回転下がっている事がこだわりだと思います。

この、SJ30は後述のJA71型が発売された後も平行して販売され、1987年まで販売されつづけました。
そして、このSJ30は日本車では最後の2ストロークエンジン搭載の自動車となったのです。

規格変更で排気量アップ(SJ10、SJ20)

1976年の軽自動車の規格変更で排気量が550ccまでOKとなりました。
それに伴って、1976年6月に、初代ジムニーの第三期が発売されます。
SJ10という型式です。
エンジンは、LJ50型で、排気量 539cc、最高出力 26ps/4,500rpm、最大トルク 5.3kg-m/3,000rpmでした。
排気量は180ccも増えているのに最大出力は逆に下がっています。
何故なんだろう?という気もしますよね。
しかし、ここで、最大出力の発生回転数に注目しましょう。
1,000回転下がっています。
また、最大トルクは1.5kg-m上がり、その発生回転数は2,000回転も下がっています。
これはどういうことか?

スズキの考えでは、扱い易さと柔軟性を求めたのではないでしょうか。
より低い回転数で最大出力と最大トルクを生む。
これは、扱い易いエンジンには欠かせません。
また、敢えてピークパワーを求めない事で、低回転でも大きなトルクを生む事に成功しています。
私は、スズキの技術者ではないので、あくまでも想像ですが…。

より、大きな最大出力よりも、トルクの太さがオフロード車には必要。
そんなこだわりがあったような気がしてなりません。

1977年7月には、SJ20型のジムニー8が販売されました。
このジムニー8は輸出用のものをベースにしたもので、SJ10の車体に800ccのエンジンを積み込んだものでした。
当然、軽自動車ではありません。
800cc(正確には797cc)のエンジンはF8A型 水冷直列4気筒4サイクルエンジンで、最高出力 41ps/5,500rpm、最大トルク 6.1kg-m/3,500rpmといったものでした。
SJ10のボディに800ccエンジン。
きっと、強烈なものであったと思います。

栄光の初代ジムニー(LJ10、LJ20)

ジムニーの初代が販売されたのは、1970年です。
軽自動車では初となる本格四輪駆動オフロード車でした。

実は、ジムニーってスズキが開発したんじゃないんですよ。
当時に存在したホープ自動車(現在は遊戯施設向けアミューズメントマシン(エレメカ)の製造販売を中心に経営)が開発、生産をしていた「ホープスターON360」の製造権を買い取り、大幅な改良を加えた上で誕生したのがスズキジムニーです。
この時のエンジンは359ccで最高出力 25ps/6,000rpm、最大トルク 3.4kg-m/5,000rpmのFB型といわれる空冷直列2気筒2サイクルエンジンでした。
当時は、軽自動車は360cc以下という規格であった為です。
この、初代ジムニーはLJ10と呼ばれる型式でした。
そして、このLJ10が11年もの間続いた初代ジムニーの幕開けでした。

2年後の1972年にはLJ20という型式にマイナーチェンジ。
俗に初代第二期と呼ばれるものです。
エンジンもL50型 水冷直列2気筒2サイクルエンジンに変更。
最高出力 28ps/5,500rpm、最大トルク 3.8kg-m/5,000rpmというものでした。
この空冷から水冷といった変化は実に大きい物でした。

余談ですが、あの「ポルシェ911」は1997年の996まで空冷であったそうです。

ジムニーってどんな車?

ジムニーはオフロード用の自動車である。
これは最初に言っておきたい。

巷にある「オフロードっぽい」自動車とは別物です。
軽量、小型のパートタイム4WD。
オフロードでの走破性は目を見張る物があります。
ジムニーはこだわりをもってスズキが作っています。
その一つがボディのフレームです。
現在は、オフロード車以外はおろか、オフロード車ですら「モノコックフレーム」を採用している物が多くあります。しかし、スズキはあくまでも「ラダーフレーム」にこだわっています。
例え、乗り心地や重量の増加があろうとも、車体強度に妥協していません。
それが、オフロード車である。と、言わんばかりです。
また、ジムニーは基本的に軽自動車です。
一部、自動車以外もありますが、大多数はやはり軽自動車です。
そして、四輪駆動。
以前、後輪駆動のジムニーLやジムニーJ2と言うモデルも存在しましたが、現在ではラインナップから消えています。
やはり、オフロード=四輪駆動でないと。

このブログでは、ジムニーの歴史を振り返りながら、ジムニーがどんな自動車なのかを紐解いていきたいと思います。